知床大冒険 〜海編〜 第6話 弘法にも筆の誤り
冒険4日目
ー 朝霧
4日目、いつも通り4時半に起床。
天気が悪い!?
と思いきや、
霧が出ているのは海面付近だけで、天を見上げるとそこには青空✨
何とも神秘的な景色に感動した。
↑ やかんに直接、濾し布をしてコーヒーを作ります。
出発の頃には霧は晴れて、一面青空!!
太陽って、ほんんとうにありがたいです。
しゅっぱーーーーつ!!
波も穏やかで、天気も最高!!
今日は、いよいよ知床半島先端、知床岬を回ります!
ー 知床岬
しばらく漕いで、知床岬近くで、
遠くに見える人工物はなんだ、、、???
これは、
「防氷堤」
というもので、この写真の右方向には、地元の漁師たちが臨時で使う小さな港があります。
クリオネでお馴染みの、冬にはこの辺一帯は、北から流氷がやって来ます。
流氷で港が閉ざされないように、氷を砕く役割としてこの防氷堤があるのです。
(↑ 左から順に縮小)
そしていよいよ、
知床半島先端、知床岬に辿り着きました!!!
このスクショを撮るために、何度も携帯をいじっていたら、チームの1員であるカヤック会社の社長に怒られました。
笑い事ではなく、理由は、大変重要で
「半島の先端は、風と潮がぶつかって、高波になるし常に危険だから気を抜くな。常に風と潮と波の動きを読め。」
というもので、自分の"調子の良さ"を反省しました。
ー 沈
(この一連の写真はないです。撮る余裕なんてなかったので。文字だけで詳しく書いておきます。)
6年ほど前に、琉球大学の学生が国後島に流されてしまった、非常に危険な箇所でもあるので、一列になって新谷さんを先頭に、ギリギリの海岸沿いを進んでいました。
風と潮がぶつかり、非常に高波でした。
進路確保のため少し沖合に出ようと、その高波に正面突破をすることになりました。
まだシーカヤック旅3回目の僕は、キンタマまでマジで縮み上がって、新谷さんと並行して、波を読んで待っていました。
いつ行くのかと様子を伺っていた時、大きな波が来ました。
びっくりはしましたが、体幹と体重移動を上手くして、波を超えかけた時、
右5〜6メートル先にいた
新谷さんの舟がひっくり返りました。。。
救助に行こうとしましたが、波は高く、舟の方向を180度変えなければならないため、転覆する危険があり、技術もない自分が言っても二次災害になるかと思っていた時、
新谷さんの
「いいから陸に上がれー!!! 急げー!!!」
という声が聞こえ、救助はもう一人のガイドに任せ僕は陸に向かいました。
岩場でゴツゴツしており、波も高く進路に自身がなかったので、
冷静にシーカヤック会社社長が、波乗りをして陸に進んで言った同じコースを取り、何とか陸に辿り着きました。
一方で、新谷さんを救助に行ったもう一人のガイドの方も転覆をし、言葉を失いました。
気温3℃、水温1℃
他のメンバーが2人の救助に向かったので、下っ端の自分は急いで陸に上がり、もう1人と薪を集め、火を起こして2人の介抱の準備をしました。
転覆した1人はドライスーツを来ていたため、幸い、全身濡れることはありませんでしたが、
新谷さんはドライスーツなんて来ていなかったため、
全身水没し水の中に15分ほどはいたため、もう全身ガクガクのブルブルのひどい状態でした。
みんなで協力して、着替え、寝袋、温かい飲み物、湯たんぽなどを用意して、
低体温症になるのを防ぎました。
1時間ちょっと後、幸い、新谷さんの体調は回復し、ご飯も食べ、再度出発することに。
あれだけのダメージを受けて、また海に出るって、本当にタフだなと驚きました。
再出発後、数時間漕いで、今日の宿泊地に到着。
天気悪い。めちゃ寒い。トイレ漏れそう。笑
「二本滝」という場所で、
近くに「雄滝」と「雌滝」という滝が二本ありました。
水があって、斜面ということで、山菜を取りに行きました!
じゃーーーん!!
何でしょう?
ピリ辛の味がもう最高で、採取しながら生でパクパク食べてました。笑
温まりながら、みんなで料理。
(ちなみに、新谷さんが転覆した時、一番大きい鍋が流されてしまい、料理が少し大変に。笑)
ギョウジャニンニクがもう美味しくて美味しくて、この旅一番のご馳走でした。笑
寒くて風が強いので、みんなでタープの中で食べました。
夜は、この日にあったもう事件の連続を振り返りながら、自然の厳しさ、プロでもミスを犯す知床の厳しさを身をもって理解したと同時に、
チームワークの強さ、絆がものすごく強く結びついたことを全員が感じてました。
満点の星空を眺めながら、就寝。
さあ、もうすぐゴールだ。
気を付けて行こう。